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ものコブログ-横浜ものづくりコーディネーターブログ-

ものづくりに役立つ最新情報や業界動向、企業経営に役立つヒントなど、幅広いテーマで情報を発信します。

 多くの金属加工の現場において、欠かすことのできない存在が「切削油剤」です。切削油剤は、工具の寿命や加工精度、仕上がり面の品質に大きな影響を与えるだけでなく、作業環境や環境負荷にも関わる重要な要素です。近年は、加工条件の高度化や環境規制の強化を背景に、「性能」と「環境配慮」の両立がこれまで以上に求められています。本ブログでは、切削油剤の基本的な役割から最新動向までをご紹介します。

1 切削油剤の役割とは

切削油剤の主な役割は、次の4つに整理できます。

① 潤滑 

切削中、工具と被削材の間には大きな摩擦が発生します。切削油剤が潤滑膜を形成することで摩耗を抑え、工具寿命の延長と切削抵抗の低減につながります。

② 冷却 

切削点では高温が発生します。油剤が熱を奪うことで、加工精度の低下や焼き付きの発生を防ぎます。

③ 洗浄 

加工中に発生する切りくずを洗い流し、加工面や機械内部を清潔に保ちます。

④ 防錆 

加工後のワークや機械部品をサビから守る役割も果たします。

これらの効果をバランスよく発揮させることが、切削油剤選定の基本となります。

2 切削油剤の種類と特徴

切削油剤は大きく「油性」と「水溶性」に分類されます。

①油性切削油剤(ストレートオイル) 鉱油や合成油をベースに添加剤を配合したもので、潤滑性に優れています。ねじ切りや歯切り、深穴加工など、重切削や高負荷加工に多く用いられます。

②水溶性切削油剤 水で希釈して使用するタイプで、冷却性に優れています。

乳化タイプ・半合成タイプ・合成タイプがあり、アルミやステンレスなどの難削材にも対応可能です。近年は、泡立ちや腐敗臭を抑えた製品も増えています。

◆添加剤が支える切削性能

切削油剤の性能は、添加剤によって大きく左右されます。 硫黄系・塩素系・リン系の極圧添加剤は、高温高圧下で反応し、摩耗や焼き付きを防ぐ被膜を形成します。一方で、環境規制の強化により、塩素系添加剤の使用は制限される傾向にあります。現在は、非塩素系で高性能な切削油剤の開発が進み、環境と性能の両立が図られています。

3 環境対応とSDGsの視点

これまでの切削油剤は性能重視でしたが、近年は作業者の健康や環境負荷低減が重視されています。具体的には次のような改善策です。

・生分解性油剤(植物油ベース)の採用

・低ミスト化による作業環境の改善

・長寿命化設計による交換頻度・廃棄量の削減

さらに、ドライ加工や最小量潤滑(MQL)など、油剤使用量そのものを減らす技術も普及しています。これらはSDGs目標12「つくる責任 つかう責任」にも直結する取り組みです。

4 管理・メンテナンスの重要性

切削油剤は「使い続ける」ことで劣化します。pH値や濃度、菌の繁殖状況などを定期的に管理し、交換時期等を適切に設定することが、安定した加工品質につながります。また、加工現場の異臭を抑制することにも役立ちます。最近では、IoTセンサーを活用した自動モニタリングなど、データに基づくスマートメンテナンスも注目されています。

5 切削油剤と「切削抵抗」の関係

切削油剤の効果を考える上で欠かせないのが「切削抵抗」です。切削抵抗が大きくなると、工具摩耗の進行、加工精度の低下、エネルギー消費の増加につながります。切削油剤の選定や管理は、切削抵抗をいかに抑えるかという視点で見直すことで、加工の安定化やコスト削減といった経営面のメリットにも結びつきます。

6 産学交流サロンのご案内

IDEC横浜では、3月5日(木)に開催する産学交流サロンにおいて、「研削加工」の基本的な要点を押さえるとともに、「切削油剤」と「切削抵抗」をテーマにした「今、ものづくりの基本に立ち返る!―機械加工を成功に導く鍵はこれだ!」を開催します。

大学・中小企業・大手企業それぞれの立場から、切削加工の基本整理に加え、最新の技術成果や切削抵抗の測定技術など、現場で“すぐに役立つ”知見をご紹介します。切削油剤を「感覚」ではなく「理論とデータ」で見直すヒントを得たい方は、ぜひご参加ください。

👉 詳細・お申し込みはこちら

まとめ

基本に立ち返ることの重要性

切削油剤は、加工品質・工具寿命・作業環境・環境負荷を左右する「現場の血液」とも言える存在です。最新技術が注目される今だからこそ、基本を正しく理解し、現場に合った選定・管理を行うことが重要です。ご不明点などあれば、お気軽にIDEC横浜までお問い合わせください。

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